2017年07月30日

朝鮮学校無償化訴訟、想定外の判決に驚き 拉致被害者家族「冷静

 ■文科省「今後に注視」

 朝鮮学校を高校授業料無償化の対象外としたのは違法として、無償化適用を義務づけた28日の大阪地裁判決。北朝鮮による拉致被害者の家族らは「司法は冷静な判断をしてほしい」と訴え、文部科学省では幹部らが「衝撃の判決」と口にするなど、想定外の判決に驚きの表情を見せた。

 「拉致被害者を帰そうとしない北朝鮮、朝鮮総連の傘下にある学校に、日本国民の税金で支援することが適切なのか。法律は拉致された国民の命を守る視点を度外視するのか」。増元るみ子さん(63)=拉致当時(24)=の弟、照明さん(61)は判決を受け、こう語った。

 同様の裁判は全国で行われている。横田めぐみさん(52)=同(13)=の母、早紀江さん(81)は「司法にとっては難しい判断なのだろうが、しっかりと現実を見据えた上で何が問題なのかを踏まえ、冷静な判決をしていただきたい」と話した。

 拉致問題解決に取り組む特定失踪者問題調査会の荒木和博代表は「北朝鮮は日本人を拉致し、核・ミサイルを開発してきた。朝鮮総連、朝鮮学校はそうした政権、指導者を賛美している。裁判官はその点を理解していなかったのだろうか」と指摘。「政府は学ぶ権利を剥奪しろと指示したわけではない。無償化は日本のお金を使って行われているという前提を理解する必要がある」と述べた。

 文科省では判決直後、担当者が松野博一文科相の元に説明に走るなど、対応に追われた。「(原告側が敗訴した)広島地裁判決と、なぜ判断は分かれたのか…」。ある中堅職員は当惑し、別の幹部は「今後の同様の訴訟への影響を注視したい」と述べた。

 文科省高校修学支援室は「国の主張が認められなかった。判決内容を精査し、関係省庁と協議し対応を検討する」とコメントした。



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